著莪の里 ゆめや(岩室温泉/新潟県)~純和風旅館の「主張しない心地よさ」とは?

離れには広い庭と露天風呂があり、家族連れにもおすすめ

主屋のラウンジ。ほぼ満室とのことだったのに人が少なくて静かな印象。

弥彦神社のある小高い山の麓にほど近く、とても緑が豊かな純和風旅館「ゆめや」。宿のパンフレットに書かれていた「なにも主張しない心地よさ」とはどういうことか。それを知りたくて泊りに行きました。
主屋の1階と2階に各5室。2006年にできた離れに一軒家の計11室のこじんまりした宿です。私は離れの一軒家を選んだところ、広い庭にテラステーブルが置かれ、下駄ばきで庭にある専用半露天風呂に入りに行くという設定もワクワクするものでした。本館の和風旅館らしい造りも大浴場もとても良いもので、硫黄のにおいがするとろりとする湯は美肌の湯として知られています。硫黄が強い分効能もあるけれど、アクセサリーは変色するのでご注意をとのことでした。

新潟なので名酒もたくさん揃えてある。この美しいしつらえに目を奪われた

そしてこの旅館の素晴らしいところの半分はお食事にあると断言できます。主屋のお食事処は個室で、私が泊まった晩は満室とのことでしたが、あまりにも静かで人の声が一切しないのです。本館の人は部屋食にする人も多いからだそう。
素材よし薄味の純和食はオーソドックスに見えるけれど創造性があり、昔からのスペシャリテも絶品。夏は茄子漬と呼ばれる小茄子に切り目を入れて丸々浅漬けにしたものと夏野菜を前菜に出しています。茄子漬は指でちぎって食べてくださいと言われびっくり。茄子本来の美味しさと瑞々しさを味わえるように塩味は最小限。これがクセになり食べたくて来るリピーターさんも多いのもうなずけました。

ゆめや饅頭は長い年月引き継がれてきた自慢の一品

同じく先代の料理長から引き継いできた「ゆめや饅頭」は、里芋の饅頭で中には雲丹が入っていて、外は揚げてカリカリで、それを煮込んであって、もう最高!の1品でした。
平成のはじめから長い歴史があるからこその自然体の心地よさ。あれこれ奇をてらわない、主張しないことでこちらも心底くつろげる宿なのです。主張しないように見えることも陰では見えない努力があるからこそ。主張しないということが、実はこの宿の自己主張なのかもしれません。
(2020年6月訪問)

旅館名著莪の里 ゆめや
住所新潟市西蒲区岩室温泉905-1
TEL0256-82-5151
お風呂大浴場 露天風呂
予算2人利用で1人35200円から
露天風呂付客室あり

 

ペンギン案内人2号/井原 三津子

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