縄屋 (日本料理/京丹後市/京都)~京都の辺境で味わう、絶品魚菜料理

カウンターには最大9席。お店を切り盛りするのはご主人と奥様の二人

鯵のお造りは山桜の塩漬けをまぶしてあり、ふっと桜餅の香りがした

「御料理をお出しする前に、皆さんにお話があります」
カウンターに7名のゲストが揃ってランチスタートとなったお昼の12:00ジャストに、カウンターの中でおかみさんが挨拶を始めました。一体何だろう?写真撮影禁止とか、そういう注意事項か?一瞬背筋が伸びて耳を傾けるとその内容はこうでした。今回2020年夏に、15年続いてきた店を新しい薪料理に変えて一新、再オープンしたこと。薪は炭にするまでの工程でかなり強火となって、火がもったいないからまずお米を炊くという話でした。
「一番最初にお出しする料理は一口のご飯です」。そう言って炊き立てのご飯を器に少しだけ盛って全員に配ったのです。何ひとつ味を付けないご飯はツヤツヤでキラキラ光り、少し硬めで噛むとほんのり甘いお米本来の旨味を感じました。これぞ薪で炊いた御釜のご飯の真骨頂。
それから素晴らしい舞台は幕を開けたのです。

焼きおにぎりのきのこ雑炊で〆る

このお店「縄屋」は京丹後市にあります。京都府と言っても丹後半島の日本海側とかなりど田舎にあるので、わざわざこの店で食事することを目的に、大阪の人も京都の人も3時間余りかけて訪れます。料理は「魚菜料理」と呼ばれる今までめったに出会わなかった魚と野菜だけの料理。お肉は出ません。魚と野菜のどちらがなくても成り立たない、両者が最強のコンビを組んで迫ってくる共演舞台です。長閑な自然のあるこの場所ならではの発想でしょう。
ご主人の吉岡幸宣氏は、京料理の名店「和久傳」で修業をした後、地元であるこの京丹後に戻り、15年前にこのお店をオープンして、今年の夏にまた新たなスタートを切ったそうです。野菜はすべてご主人の自家菜園で育てているのを摘んでくるそうです。土地柄、野菜も魚もこの上なく新鮮です。

デザートは蓮根餅のお抹茶ぜんざい。寒天みたいに見えるが、ねっとり美味しい餅

6000円なのに10品にも及ぶ料理はバラエティに富んでいてどれもが絶品。肉が出ないのでヘルシー、かつ私には最適な量で完食できました。鰆の燻製とクレソンのさっぱりしたサラダ仕立ての次は、エビと銀杏が入った自家製のひろうす(がんもどきのこと)。皮がしっかりした、あえて素朴な手作り感満載に仕上げています。フグの仲間のウスバハギは出汁の煮凝りと柚子胡椒で臭みもなく頂けます。鰆の塩焼きは野菜の上にのせて赤酢をスプレー。炭火焼きなので皮がカリカリで今までで最高の鰆でした。普通なら魚ばかりここまで食べると飽きてくるのに、それぞれの食感もテイストも全く違うので一切飽きさせません。
その後いろいろ出たのですが、目の前でずっと焼かれていたおにぎりがどうやって出されるか興味津々だったのです。最後の〆に天然のなめこやヒラタケ、小松菜のあんかけを上からかけた雑炊となって登場!体の芯から温まり、栄養補給ができました。ストイックに魚菜料理の道を究めているご主人にエールを贈りたい気持ちです。(2020年11月訪問)

レストラン名縄屋
ジャンル日本料理
住所京都府京丹後市弥栄町黒部2517
TEL0772-65-2127
予算ランチ 6000円~ ディナー 12000円
座席9席
個室なし
予約の可否完全予約制 昼は12:00 夜は18:30 一斉スタートに付き時間厳守(30分前開場)

 

ペンギン案内人2号/井原 三津子

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