アル・ケッチァーノ (イタリアン/鶴岡市/山形県)〜「地産地消」「地方再生」のパイオニア的存在のイタリアン

大人数の料理を一気に仕上げる料理人。黒板のメニューはディナー用アラカルト

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はえぬき米のリゾット

「アル・ケッチァーノ」の意味は「そういえばあったわね」という山形の庄内弁だというのでびっくりしました。イタリア語かと思わせて茶目っ気があります。オーナーシェフ奥田正行氏が1994年にオープン。奥田氏は今でこそよく言われるようになった、土地の食材を大切にして料理に生かす地産地消の考え方や地方再生に力を注いだパイオニア的存在。地方都市である鶴岡市ののどかな場所に突然現れるのが、この蔦の絡まる童話に出て来るような外観。まさにイタリアのオーベルジュです。ここ鶴岡市がユネスコの食文化創造都市となるほどグルメに力が入っているのも、奥田氏とアル・ケッチァーノの人々によるところが大きく、そのことは日本中のグルメな人々に知られるところとなりました。

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庄内浜からの魚介のアクアパッツァはアサリも帆立も新鮮

予約していた11:30の10分前に着いたら、すでに10数人のゲストが屋外で建物の写真を撮っています。皆さん地元か近郊から自家用車で来ているようです。11:30ちょうどにドアがオープンして、後からやって来た人も皆がぞろぞろ入店し満席に。一斉にランチがスタートします。見たところ全部で30人が一度に入っています。次のランチは13:30からで、なんとランチからこの店は2回転して最大60名近く受けているのです。途中、予約なしのゲストが5組くらい来て断られていたので、人気のすごさがわかります。
ランチは3800円の1コースのみ。6品とコーヒーが付いたボリューム満点のコースがこの料金設定はコスパも最高です。メインとパスタをチョイスするだけでスイスイと給食のようにスピーディーに食事は進みます。一皿目はアミューズなど気取ったものはなく、炙り鰆にシャキシャキ千切りレタスをバーンと載せたもの。春の魚と思ったらサワラは回遊魚で、日本海では秋が旬というスタッフの為になる説明付です。

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井上農場の小松菜のペペロンチーノ。生で食べても柔らかくアクがない小松菜

次に出た庄内野菜のミネストローネはイタリアンの定番家庭料理。ベーコンの美味しさに魅せられたものの、残念なのは冷めかけていること。スープは熱々が好きな私なので、万一他の店でこういうことがあったら、絶対温め直してもらうところですが、大人数をさばいているのでそうもいかない雰囲気でガマン!でも次のリゾットは熱々で、栗と一緒にその甘さを引き立たせる生ハムも入っていてチーズを振りかけて美味。庄内の新鮮な魚介のアクアパッツァもその後に出たパスタも驚くべきものはないけれど、やはり素材の良さは感じました。ただしドルチェはアイスとティラミス。イタリアンだからティラミスという定番すぎるところが残念。
評判がとてもいいので東京からわざわざ食べに行った私にとっては、美味しいとはいえどこか物足りなさが残った印象です。リーズナブルなランチなので仕方がないのかもしれませんが、こうして遠くから来るグルメな客をも唸らせるために、もう一歩の工夫が欲しいところです。
(2020年10月訪問)

レストラン名アル・ケッチァーノ
ジャンルイタリアン(イタリア料理)
住所山形県鶴岡市下山添一里塚83
TEL0235-78-7230
予算ランチは1コースのみ 3800円 ディナーはアラカルトもあり
座席34席
個室なし
予約の可否予約可

 

ペンギン案内人2号/井原 三津子

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