小屋場只只(大津島/山口県)~思いが形になる、周防灘の海以外何もないことの素晴らしさ

石の使い方がダイナミックな鳥居のような入口

テラスにはデッキチェアが置いてあり、海や「回天」の発射基地跡を見ることができる

宿は学びに行くもの、良い宿には必ず魅力的な人がいるということ、それを一番感じたのが「小屋場只只」です。
宿があるからこそ行った山口県大津島、行く前からなぜ、ここに宿が出来たのだろう、しかも1日1組、どうやって採算がとれるのだろうと思っていました。
石を組んだ入口、平屋の宿は、中に入っていくとどこにいても水平線を眺めることが出来ます。
食事をするダイニング、その奥にゲスト用の部屋があり、内風呂はお湯を張ると水平線とつながり海にいるように感じる造り、外には海を見ながら入れる五右衛門風呂。
ここは、今まで泊まったことのないタイプの宿で1日1組をもてなすこだわりのデザイン住宅のように感じました。

室内でもテラスでも食べることができる朝食、海の風を感じながら

散歩と読書と昼寝以外はやることがないのでのんびりと過ごし、中日には、朝太陽が昇って夜陽が沈むまで、何度も外を見ては太陽の位置を確認するという贅沢な経験もしました。
そして最終日、朝寝坊をしてしまい髪の毛ボサボサのまま朝食を食べに行ったら、初日からお会いできなかった宿のオーナーがスタッフの方と話をしていました。急なことで驚きましたが、冒頭に書いたことについてようやくわかると思い、たくさんの質問をしてお話を伺うことができました。
なぜここに宿を作ったのか。
それは、宿のそばにある戦時中に造られた「回天」という人間魚雷の発射基地が原因でした。
ずっとビジネスで人を使い、「稼ぐ」ことを考えていたオーナーの水本さんは「回天」で日本のために命をかけた人たちのことを知り、全く違う生き方だと思われたのだそうです。

オ-ナ-が若い人に来てもらいたくて建築した「一間」外観

本当はこの場所に別荘を建てたかったけれど、島の活性化につながらない建物は許可が下りず、宿にしたら許可が下りたので、今まで仕事で知り合った作家の方々などの協力の元、「小屋場只只」は誕生しました。さらに、若い人にこそこの島に来て「回天」のことを知って欲しいと思い、リーズナブルな宿泊施設「一間」を同じ島に建てたのでした。
10時半にチェックアウトした後、フェリーまでの時間、オーナー自らイギリスの軍用車MOKEを運転してくれて、道祖神のいる舗装されていない道を走り、当時出来たばかりの「一間」を見せてくれました。まさか見れるとは思っていなかった「一間」はさらにシンプルだけど同じセンスで造られた素敵な宿でした。

旅館名小屋場只只
住所山口県周南市大津島宇西田浦2763
TEL0834-85-2800
お風呂内湯 露天
予算46,200円~
露天風呂付客室1棟貸

ペンギン案内人10号/磯田 直子

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