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    オリーブ、そうめん、醬油の旅 映画「八日目の蝉」の舞台 小豆島

    香川/小豆島
    映画「二十四の瞳」の映画村だが、「八日目の蝉」も有名

    映画「二十四の瞳」の映画村だが、「八日目の蝉」も有名

    「八日目の蝉」。私の好きな角田光代さんの小説で、映画化された作品も感動的でした。その舞台として出てくるのが小豆島。子供の頃、いとこのお姉ちゃんに連れられて行った記憶があるものの、先日久しぶりに再訪してその魅力を再発見したのです。映画の中で見た島の風土や人情。年中行事や八十八か所巡りをする人たち。ここは小さな島なのに、まるでひとつの大きな世界のようにいろんな魅力を秘めています。
    小豆島の名産品は醤油、そうめん、そしてオリーブです。昔ながらの木桶で作られる味わい深い醤油。日本で3大名産地として知られる手延べそうめんのつるっとしたのどごしは最高。そして地中海性のような気候の中で育つオリーブから作られる最高級エクストラヴァージンオリーブオイルの爽やかな味わい。こうした名産地巡りをするだけでも島の魅力の一端に触れることができるのです。今回はそうした名産地巡りのおすすめ旅をお届けします。

    木桶で作る伝統の醤油の味とは?

    歴史あるもろみ蔵の見学もできる

    歴史あるもろみ蔵の見学もできる

    小豆島の名産品巡りその1は醤油です。小豆島で醤油づくりが始まったのはなんと今から400年も前のこと。かつては木桶を使った製法が当たり前でしたが、今なお伝統的な木桶を使っているところは全国でも珍しいと言います。私が訪れたのはそうした木桶で醤油を作っている「ヤマロク醤油」です。
    木桶の繊維の中にこそ発酵調味料の旨味を生む菌が住み、蔵独特の味を生み出すのだそうです。ここでは150年以上の歴史あるもろみ蔵の見学も可能。
    醤油造りには、温暖な気候で雨が少なく、昼は海風が吹き夕方は山から乾燥した風が吹く。小豆島の気候こそが発酵過程に理想的なのだそうです。

    醤油もテイスティング可能

    醤油もテイスティング可能

    見学の後は醤油の味見です。様々な種類の醤油の瓶が並んでいます。看板商品の「鶴醤」は4年もかけて造るもの。コクがあって味わい深いもの。こんな醤油を使って料理すればなんでも美味しく仕上がりそうです。ほかにポン酢や出汁醤油などいろいろ。気に入ったものを買ってまとめて送ってもらいました。
    現在家では数種類の醤油が大活躍中。とりわけポン酢は、冷や奴にもお浸しにも、一味違う味わいをプラスしてくれます。さすがは歴史ある醤油。これを使うたびに小豆島のことを思い出すのもまたいいものです。

    日本三大そうめんのひとつ

    薬味は刻み葱と生姜だけといたってシンプル

    薬味は刻み葱と生姜だけといたってシンプル

    小豆島名産品巡りその2はそうめんです。奈良の三輪そうめん、兵庫の揖保乃糸とならんで日本三大そうめんに数えられるのがここ小豆島のそうめんです。こちらも醤油と並び400年の歴史を誇る手延べそうめん。つるっとのどごしが良いだけでなく、製麺の工程で純正ごま油を使用しているため、独特の風味とコクがあるのが特徴です。
    製麺工場の直営店である「なかぶ庵」へお伺いしました。ここはそうめんを乾燥させる前に提供する「生そうめん」を食べられるお店です。

    生そうめんでも有名な「なかぶ庵」

    生そうめんでも有名な「なかぶ庵」

    生そうめんはめん工場の職人さんのまかない食を商品化したものだそうで、生でしか味わえないプリプリでもちもちのコシのあるそうめんが味わえます。讃岐うどんのように具材をいろいろ選んだりもできなくて、何も入っていないそうめんはシンプル。でも美味しくてスルスルと食べてしまいます。またここでは島の特産品オリーブを練り込んだ薄緑色のオリーブそうめんもありました。
    このお店では長い箸を使ってそうめんを延ばしていく箸分け体験もできます(要予約)。「八日目の蝉」で主人公が逃げてきて働き始めたのもそうめん工場で、箸分けをしていたシーンを思い出しました。美しい島の自然の中で、苦労は多いけれど優しい人々の中で幸せだった日々の舞台として、小豆島は光輝いて見えました。

    オリーブオイルは奥が深い!

    オリーブ会席ではそうめんにもオリーブオイルをかけて

    オリーブ会席ではそうめんにもオリーブオイルをかけて

    名産地巡りその3は忘れてはいけないオリーブです。日本で初めてオリーブの木が栽培されたのがここ小豆島です。なんと今から113年も前のことでした。明治末期、日本の他の3か所の地域と共に導入され、日照時間が長く、雨が少ない地中海気候の小豆島が、今や日本一の産地となったのです。オリーブはオイルのほかにもコスメ製品や、オリーブ牛やオリーブハマチなどといった、オリーブの搾りかすを餌にして育つ美味しいビーフや魚も現れました。今やオリーブオイルは日本人にとっても食事に欠かすことができない存在です。イタリアンだけでなく、フレンチや日本料理でも使われていますね。
    基礎化粧品にもオリーブは欠かせない素材です。オリーブオイルの自然で潤いを与えてくれるコスメは人気です。

    生の新鮮なアスパラもオリーブオイルと塩コショウで

    生の新鮮なアスパラもオリーブオイルと塩コショウで

    私は今回「オリーブ会席」というディナーを出してくれるホテルに滞在しました。小豆島にある13の農園の44銘柄のオリーブオイルから、料理に合わせて厳選されたオイルをその都度使用して絶品の料理を食べさせてくれました。全くクセのない、料理に深みや爽やかさや旨味まで与えてくれる奥深いオリーブオイルを知りました。この島のホテルでないと成し得ないメニュー構成には感動しました。そのホテルの名は「海音真里」。
    このホテルに関する詳細は下記の記事をご覧ください。

    海音真里(うみおとまり)(小豆島/香川県)~オリーブオイル尽くし!ヘルシーな極上の島宿
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    まとめ

    また来てね。オリーブマークのフェリーで帰ります

    また来てね。オリーブマークのフェリーで帰ります

    自然も人も風土も素晴らしい小豆島。今回あらたにこうした名産品を知るにつけ、ますますこの島の魅力にはまってしまいました。今度行くまでは買って帰った醤油とオリーブオイルとそうめんで小豆島気分を味わいます。

     

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