きたうら善漁。(ぜんりょうまる)(日本料理/延岡市/宮崎県)~「ただの料理店」といえど個性炸裂!

きたうら善漁港。(延岡市)
シンプルなエントランス

シンプルなエントランス

店の雰囲気に似合わないウェイティングバーが!

店の雰囲気に似合わないウェイティングバーが!

「善漁。(ぜんりょうまる)はただの料理屋でございます。そのため美味しいものは作りません」・・・・・??美味しいものを作らない料理屋なの?お店のカウンターに座ると、お盆とお箸と一緒に置かれていた「ご挨拶文」にそのような出だしが。文章はまだ続きます。「驚きや面白さ、ここでしか味わえない特別な素材もいりません・・・・・・」なんと否定的な!!最初はここの大将はかなりの偏屈かと思いました。
ここ宮崎県延岡市で12年この店を営む店主の吉田善兵衛氏。名前を聞くとご年配かと思いきや77年生まれだそう。家業としてやっていた漁師を止めて27歳の時に料理人を目指すことを決め、様々な修行や体験を経て、2008年12月に地元であるこの地にお店をオープンされたのです。
食材はこの近辺で採れる野菜とか魚を使い、高級食材とか特別のものは使わないそうです。そして今は「静」を望むため「料理の説明はしておりません」食材は教えてくれるがその料理法は語らない。そして料理の写真は撮影不可のお店なので、料理の写真はありません。ディナーにお邪魔して、大将おまかせ9皿9500円のコースを頂きました。

食材の仕入れ先記載のカードなどと一緒に挨拶文が

食材の仕入れ先記載のカードなどと一緒に挨拶文が

「体が温まるような1皿目をお出しします」と出てきたのが小さなお椀に入ったブロッコリーのスープ煮。熱々でいいお出汁でほっこりする味。熱い物は熱々で最高の状態で食べてほしいから、きっと写真が不可なんだろうと思いました。皆あれこれ写真を撮っている間に、微妙に食べ時を逃すことが確かにあると私も思います。
次はカワハギの仲間の魚の白和えに付けダレ付。そしてキャベツのスープ煮が続きます。甘くてシャキシャキのキャベツの美味しいこと。すりたての香りのいいわさびを付けるとなお美味しい。造りはヨコワ(鮪の稚魚)を塩とレモンでしっかり味付けして酸味があり食べやすい。ボリューミーだけれど完食。
次の温野菜の盛り合わせがたっぷりでどれも絶品です。赤キャベツ、スティックエンドウ、椎茸、セニョールブロッコリー、ピーナッツ、サツマイモのから揚げ、レモンをかけて頂きます。お客さんにとって一番美味しく好みの味で食べてもらえるように、レモン、塩、わさび、しょうゆなどの調味料は各自の近くに置いてくれます。大将がすべての味を決めるのではなく、客に任せているのです。偏屈どころか、実は大将はどこまでもお客さんに気配りができる方なのです。

料理の写真は不可だが記念写真はウエルカムだった!

料理の写真は不可だが記念写真はウエルカムだった!

柔らかく蒸したアワビに肝のソースと粒マスタードを付けて頂き、日向夏の酢の物の口直し。メインはビーフのローストです。延岡郊外の牧場で放牧されている牛。付け合わせ野菜マッシュポテトなども一つ一つが丁寧で美味しいです。
大将は「お米が主役。すべての料理は前菜」と断言します。土鍋で炊き立てのご飯は、タニシが生息するような水田で無農薬で作られたお米を使います。まずは炊き立ての煮えばなをひと口。お米がご飯に変わる瞬間のアルデンテ状態は格別の美味しさ。そしてパルメジャーノレジャーノチーズを混ぜてリゾット風にしても絶品です。それに梅干を加えてみる。その後わさび、しょうゆと一緒にTKG卵かけご飯を頂きます。具だくさんの味噌汁と一緒に、絶品TKG。そしてまだ終わりません。土鍋でカリカリのお焦げを作ってせんべいにして食べます。食材は残さず食べ尽くすのです。
食事が終わり、記念写真をお願いすると、大将は快くOKしてくださり、ここで撮りましょう、そこで一緒に撮りましょうと、提案までしてくれました。写真が嫌いなわけじゃなかったのです。すごく優しくてたくさんの話をしてくださって、いい方でした。料理に対する思い入れがものすごい方なので、勝手に偏屈などと誤解して申し訳ありませんでした。
大将はここから車で30分くらいにある、生まれ育った北浦のド田舎にお店を移転したいそうです。もっと自然の中で料理をするのが夢だそうで。
それにしても、このお店に行った後はどんなお店も平凡に見えてしまいます。それほどインパクト大のお店でした。
(2021年2月訪問)

レストラン名きたうら善漁。(ぜんりょうまる)
ジャンル日本料理
住所宮崎県延岡市本町1-3-14
TEL0982-31-0051
予算夜のみ、お任せコース9500円。常連用、団体用のコース別途あり
座席カウンター6席程度 座敷もある。また2階に個室あり
個室あり
予約の可否予約可

 

ペンギン案内人2号/井原 三津子

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