京遊膳 花みやこ(日本料理/ひたちなか市/茨城県)~茨城の田舎で京都の味を

京遊膳 花みやこ
1993年開業で、28年間営業されている

1993年開業で、28年間営業されている

高級感漂う個室はゆったり広く居心地もいい

高級感漂う個室はゆったり広く居心地もいい

茨城県ひたちなか市の住宅地に突然その料亭はありました。立派な店構えで京料理を出してくれる「京遊膳花みやこ」さんです。個室に通されると、そのお部屋は高級感があって美しく、出てきた女将さんの西野正子さんは京都の伏見出身で京都弁で話され、これから京料理を頂くんだという舞台設定も万全です。ご主人の西野正巳氏は京都の老舗料亭「西陣魚新」で修業後、東京の料亭で料理長を務めた後、1993年に出身地のひたちなか市でこのお店をオープンして28年になるそうです。2019年には農林水産省の料理マスターズにも選ばれ、2021年のゴ・エ・ミヨで3トック15.5点の高得点を獲得されています。

日本海の松葉蟹はトマトの透明なクリアジュレを添えて

日本海の松葉蟹はトマトの透明なクリアジュレを添えて

「茨城ガストロノミー&テロワール」をコンセプトに、その土地の味、素材を大切にした料理の数々。ランチにお邪魔して1万円の懐石を頂きました。オーソドックスな京料理に一味加えるために、付けダレや薬味、ソースに様々な工夫をし自家製であらゆる食材を作り出す努力を惜しまないそうです。
最初に出たのはカニの甲羅の中に松葉ガニがたっぷり盛られた一皿。下には蟹の卵が敷き詰められ、上にはトマトを何度も裏ごしして作るクリアジュレと呼ばれる透明のゼリーをかけてあります。透明なのにトマトの香りが凝縮されて感じる不思議。フレンチなどでよく使われる手法です。
次の八寸はとっても素晴らしいものでした。自家製のカラスミは店がオープンする前の30年も前から使われてきた酒粕に漬け込んだ柔らかく深い味の逸品。それを京都の小芋のきぬかつぎにのせてあります。他にも和歌山の子持ち鮎の甘露煮、北海道のイクラのしょうゆ漬け、山桃、海老、蟹真丈、金柑の甘露煮、そして伊達巻です。伊達巻は優しい甘さで、食べたことのないくらい柔らかいのに驚きます。プロの技でひとつひとつが丁寧に作られた料理に感じました。

宮崎の尾崎牛と松葉蟹のメインディッシュ

宮崎の尾崎牛と松葉蟹のメインディッシュ

次に出たのは茨城名産のアンコウの造りやあん肝。あん肝には柚子胡椒ならぬブラッドオレンジ胡椒と青唐辛子をかけたり、お店のオリジナルスパイスを披露します。
松葉蟹とビーフのメインディッシュ。いつもここしか使わないと大将がこだわっている宮崎の尾崎牛。自然な飼料と美味しい天然水で育てている安心で味わいのある牛肉です。味付けはカレー風味のXO醤。焼きガニは蟹味噌を載せていただきます。
実はアンコウのお皿辺りから味付けが京風を離れ、関東風の濃いめのものになってきました。最後はゆり根饅頭ですが、これは予想を超えてとても大きくて固くて、一口食べるだけで口の中でもぞもぞ広がってしまいます。中に入っている雲丹もなぜか香りがしません。黒鮑を載せて燻製醤油の餡がかかっているけれど、これも味付けがかなり濃い目で、私はギブアップでした。
京都風の料理を目指すなら、タレやスパイスの工夫に力を入れすぎるより、本来の出汁の旨味が効いた薄味の料理にしてはどうでしょう。地元グルメのゲストには味付けが濃い方がいいかもしれませんが、日本中の舌の肥えたゲストを相手にしていくなら、皆が満足できるレベルの味を目指してほしい。前半はとても良かったので、後半のメニュー構成を見直してほしいと思いました。  (2021年2月訪問)

レストラン名京遊膳花みやこ
ジャンル日本料理
住所茨城県ひたちなか市笹野町3丁目14-26
TEL029-276-7703
予算お任せ懐石9品以上  昼 10000円~ 夜15000円~
座席12席
個室あり
予約の可否完全予約制

 

ペンギン案内人2号/井原 三津子

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