虎屋 壺中庵 (日本料理/佐那河内村/徳島県)~吉兆直伝?「仙人の家」でランチ

田舎の村では目を引く立派な門構え

田舎の村では目を引く立派な門構え

ハマグリの真丈、ゴボウ、蕪、人参などに薄いお餅入り

ハマグリの真丈、ゴボウ、蕪、人参などに薄いお餅入り

冬の寒い日、徳島県の辺鄙な田舎に、はるばるタクシーで走って行きました。目指す料亭は徳島市内からは40分近くかかる場所です。
食べログ4.37(2021年2月)を獲得し、徳島県内ではナンバーワンの評価を誇り、「ゴ・エ・ミヨ」2020年では16点「3トック」との高評価のお店、「虎屋 壺中庵」です。わざわざ行く価値があるはずです。ご主人の岩本光治氏は、京都嵐山の吉兆で修業して、創業者の湯木貞一氏の薫陶を受けたと言われます。
ガラガラと扉を開けると、中はシーンと静まり返り、若い仲居さんの出迎えを受け、粛々と個室へ通されます。ランチの1万円の8品のコースを頂きました。座って待つと、女将らしき老婦人が最初のお皿を持って登場。ところがこの方ほとんど口をききません。こちらが「こんにちは。よろしくお願いします」と挨拶しても、小さな声で「いらっしゃいませ」とやっと言って、先付けのお皿を置いて退場。料理の説明もなし。

庭を望む個室はゆったりと高級感があり、とにかく静か

庭を望む個室はゆったりと高級感があり、とにかく静か

最初に出たのはナマコでした。見たらわかるとはいえ、ひと言説明が欲しかった。あまり好みでないナマコを静かに食べました。みぞれ餡かけで柔らかいので少しだけ食べることができました。たまたま説明を省いたのかと思うと、次も老婦人は説明せず失礼しますの言葉もなく黙ってお皿だけ置いて立ち去りかけたので、これは何ですか?と聞くと、「穴子とかにの真丈、菜の花、鯛の寿司です」と最小限のお言葉。私が聞くので、その後は料理の説明だけはしてくれました。ニコリともしない御婦人。徳島の滋味溢れるお料理の数々に私は「美味しいですね」と、満面の笑みで話しかけても、はあ、という感じでスルーされます。この方はお客さんとコミュニケーションをとるのが嫌いなんだと判断。もはや話しかけるのはやめました。私はどんなお店に行っても女将さんや仲居さん、できればご主人とあれこれ話をするのが大好きです。楽しい語らいがあれば、料理の味も倍増します。実際、薄味で味わいの深いお椀も、食材が新鮮で最高な造りも、柔らかいまながつおの酒盗焼きもかなりいい味です。ただしこれは四国ならすごいものですが、京都に行けばそれほど珍しくないレベルでしょう。

鯛のご飯は残ったのを持ち帰りにする配慮もなかった

鯛のご飯は残ったのを持ち帰りにする配慮もなかった

なのにここはまるで禅寺か、はたまた仙人の家か??・・・。ただひたすら黙って出されたものを食べて帰れということでしょうか?ロケーションが悪いところをわざわざはるばる訪ねて遠方から来た客へのもてなしとは思えません。どちらから?のひと言もなしです。未だかつてないほど愛想がなく、もてなしの心を全く感じない店でした。有名店という自信があり、皆に認められているからこういう対応も許されると思っているのでしょうか?もっと有名店でももてなしの素晴らしい店は知っているだけでもたくさんあります。私たちは東京から予約して交通費をかけてやって来て特別感を得たいと期待して訪れているのです。すべてが淡々と進み、終わったら外での見送りもなしで、もちろんご主人の挨拶もなし。自分でガラガラと扉を閉めて帰ったのは初めてでした。せっかくの美味しい食事も後味が悪くて台無しでした。老婦人だけでなく、若い仲居さんにもそのそっけなさは伝授されていました。
吉兆直伝なら、おもてなしの精神も習っておられたかと思ったのですが、いかがなものでしょうか?  (2021年1月訪問)

レストラン名虎屋 壺中庵
ジャンル日本料理
住所徳島県名東郡佐那河内村上字井開1
TEL088-679-2305
予算ランチコース 1万円~ ディナーコース 17000円~
座席個室のみ
個室12部屋
予約の可否予約可

 

ペンギン案内人2号/井原 三津子

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