【こんな国あります!!世界の秘境】アルバニア バルカン半島の不思議の国 

千窓の町ベラット(ベラート)

千窓の町ベラット(ベラート)

1978年から1990年まで鎖国を続けていたというユニークな国があります。そんなに昔の話じゃありません。その国の名はアルバニア。バルカン半島にあって、その名前も存在も知らなかった方が多いかと思います。ユニークな風景を見せてくれる街並みや古代の遺跡、美しい海に面したリゾート地など、観光地としての要素はふんだんに存在しています。その中に交じって、この国にはとっても不思議なものがありました。国中で見かけるのが、まるでたこ焼きのようにポコポコ丸い不思議な物体。大きいのや小さいのがいっぱいあります。一体この正体とは?

アルバニアってどんな国?

世界遺産のジロカストラの町は灰色の瓦屋根で不思議な街並み

世界遺産のジロカストラの町は灰色の瓦屋根で不思議な街並み

その正体はアルバニアが鎖国時代に仮想敵国から身を守るために作られたというシェルター。バンカーと呼ばれるトーチカで約40万個も!!この国を車で走っていると、あちこちで見つけることができます。自然の中にコンクリート製のたこ焼き状の物体は取って付けたようで、まさに鎖国時代の負の遺産。
アルバニアはバルカン半島の秘境と呼ぶにふさわしい国ながら、どこにあるかと言うと、ギリシャの北に位置していて国境を接しています。アドリア海を挟んで対岸にはイタリアがあるのです。全然辺境の地にあるわけではありません。

アルバニア人のご夫婦

アルバニア人のご夫婦

言葉はアルバニア語です。アルバニア語は世界中でここにしかないユニークなもので、アルファベットが36もあるという難解な言葉です。英語やイタリア語を話す国民も多いので、旅行者も安心です。治安が安定しているのも嬉しいところでしょう。宗教は半分以上がイスラム教徒ですが、南部にはアルバニア正教の信者やカトリック教徒もいるようです。
イタリアが近いため少々イタリアっぽいムードも見られます。アルバニア人は陽気で明るく、親切な人が多いのもイタリア人ぽいところです。イタリア料理も食べられるし、海に面しているためシーフードも楽しめます。
首都ティラナ市内では美しいモスクなどが見どころです。郊外に足を延ばせば、世界遺産のブトリント遺跡や、南部の「石の町」と呼ばれる世界遺産の町ジロカストラなど観光資源もいっぱいです。様々な見どころについてはこの後ご紹介いたしましょう。

鎖国していた歴史を持つ謎多き国。国がねずみ講をしていたってホント?

アルバニアの国旗には2つの頭を持つ鷲の勇ましい絵が描かれている

アルバニアの国旗には2つの頭を持つ鷲の勇ましい絵が描かれている

アルバニアは第二次世界大戦が終わった後、共産主義国家になりました。その後中ソが対立した時代に、唯一中国と仲が良かったのがアルバニアでした。ところが毛沢東が亡くなり文化大革命が終わり、中国が改革開放路線に転換すると、中国とも仲たがいをしました。そして独裁者だったエンヴェル・ホッジャのもとで1978年から1990年までの長きにわたり、すべての国と鎖国関係にありました。鎖国時代には、国防のためにソ連などを仮想敵国として、攻め込まれた場合のためにたこ焼き状バンカー(トーチカ)を国中に作ったのです。1人から3人用の小さいものもあれば時々見かけるのが5-6人は入れそうな「ママバンカー」と呼ばれる大きなたこ焼き。今なおどれもがそのまま放置されているのは、コンクリートで頑丈に作りすぎて壊すこともできないためのよう。この国がどれだけ近代化してお洒落に変身しても、バンカーがある間は皆が鎖国時代と言う暗い過去を忘れることはないでしょう。

アルバニア国内に約40万個 残るバンカーと呼ばれるトーチカ

アルバニア国内に約40万個 残るバンカーと呼ばれるトーチカ

また独裁国家の時代には、アルバニアはなんと世界初の無神国家となったのです。どんな宗教も信仰しないという意味で、独裁者のエンヴェル・ホッジャによって狂信的な無神論が強制され、国内の宗教活動はすべて禁止されたのです。
また驚くべきことに、政府がねずみ講をした国としても、歴史上類を見ない国となりました。国によって多くの国民が損害を被ったわけです。
これらのことから、アルバニアという国がいかに変わった国だったかがわかりますね。すべてが過ぎ去った暗い過去であり、現在は普通のちゃんとした国であることを願います。

2つの世界遺産 「千窓の町」ベラット(ベラティ) vs  「石の町」ジロカストラ

世界遺産ベラット(ベラティ)のマンガレム地区

世界遺産ベラット(ベラティ)のマンガレム地区

アルバニアの観光において、見どころがいくつかありますが、見逃せない2つの町があります。ともに世界遺産である、ベラット(ベラティ)とジロカストラです。
2008年に世界遺産登録されたベラットの見所は2つ。1つは城。紀元前4世紀に砦は築かれ、現在も多くの人が生活しています。城内にはいくつか教会があり、その中の生神女就寝教会は現在「オヌフリ・イコン博物館」として公開されており見ごたえがあります。2つ目は「千の窓の町」と呼ばれるゴリツァ地区。斜面を埋め尽くすようにレンガ色の屋根と白い壁の家が建ち並んでいます。博物館都市の名にふさわしい景観です。宮崎駿監督の映画に出てきそうなメルヘンチックな町です。

世界遺産のジロカストラの町

世界遺産のジロカストラの町

南部に位置し、山麓に広がるジロカストラの町もまた必見です。「石の町」との呼び名も高い美しい石造りの町並みは情緒満点なのです。オスマン帝国時代に建てられ、旧市街には城塞や市場、アルバニア南部ならではの灰色の石葺屋根の伝統建築の家並みが斜面に立ち並んでいます。城は渓谷や町を見渡す丘の上に位置し、かつての要塞としての役割を果たしていたそうです。
町は旧市街と新市街に分かれています。旧市街をそぞろ歩いていると、レトロな店先にアンティックなど土産物が並び、古びたカフェのテラスで地元のおじさんたちがカフェを飲みつつ話をしたりゲームに興じていたり。ガタガタの石畳の坂道は、風情がある分暮らすには大変そうです。坂の上り下りも厳しく、散歩でもフーフー息が切れてしまします。
私が泊まったホテルは小さい家族経営のペンションでした。オスマントルコ時代からのインテリアはムード満点。天井の木の細工やガラスのランプシェードも凝っていて素敵でした。朝食は家族総出でおもてなししてくれました。パンと手作りのイチジクジャムとゆで卵の質素な朝食ながら、ご家族の優しいもてなしに心がぽっかり温まる気持ちでした。

タイトルとURLをコピーしました