東欧の知られざる国スロバキア 心癒やされる見どころ6選

スピシュ城の修道士さん

スロバキアはチェコやポーランド、オーストリアやハンガリーと接する内陸国です。首都ブラチスラバはオーストリアとハンガリーの国境に接しており、オーストリアのウィーンまではたった60kmほどの距離。そんな、どちらかというと華やかな国々に囲まれる中、スロバキアは今も中世ヨーロッパの街並みや山岳地帯ののどかな光景を残し、その素朴さから周辺国の人々にはリゾート地として人気です。まだまだ日本人には馴染みのない旅先ですが、街の様子も田舎の風景も全てが素朴でほっこりするスロバキア。人気が出てしまう前に訪れておきたい国の1つです。

ドナウ川に面するスロバキアの首都、ブラチスラバ

ブラチスラバの旧市街。細い道からミハエル門が見えます

スロバキアの首都、ブラチスラバ。かつてハンガリーやオーストリアと領土を共にしていたこの町の中心部には、その頃の面影が色濃く残ります。観光をするなら、旧市街やブラチスラバ城をメインに計画するのがおすすめです。また、ストリートアートが町のいたるところに散りばめられているのも魅力の1つ。

ブラチスラバ城

何とも可愛らしい、メルヘンチックなお城が、ブラチスラバ城です。独特の外観から「ひっくり返したテーブル」などと呼ばれます。16世紀にはハンガリー王国の首都となり、18世紀にはマリア・テレジアの居城にもなりました。城内には歴史に関する展示や、彫刻や工芸品などが数多く展示されています。塔にも上がることができ、ドナウ川を見渡す景色が楽しめます。

中部スロバキアの中心都市、バンスカー・ビストリツァ

バンスカー・ビストリツァの広場

バンスカー・ビストリツァは元々、銅や銀の採掘や精錬をする鉱業都市として発展しました。特に14世紀から16世紀にかけては最盛期で、その銅はヨーロッパ各地に輸出されました。やがて資源が枯渇したころ、18世紀から19世紀半ば頃には民族運動の中心となりました。第二次世界大戦のナチス・ドイツの支配に対しての民族蜂起は、この地から興ったのです。そんなことがあったとは思えないような穏やかな広場には、囲むようにカフェやレストランがあります。太陽がよく降り注ぐ広場なので、ぼんやりすると気持ちよさそうです。

SNP広場の城。この街では教会や旧市庁舎からなる集合体を城と呼びます

バンスカー・ビストリツァへはブラチスラバからバスまたは鉄道が便利です。いずれも3時間から5時間ほどかかります。バンスカー・ビストリツァをスロバキアの田舎町へ行く起点にすることをおすすめします。

フロンセック村の木造教会

世界遺産の木造教会。

バンスカー・ビストリツァから車で20分もしないところに、フロンセック村があります。そこには木造教会があり、世界遺産に指定されています。これからお話するいくつかの小さな村や街は個人旅行では巡りにくい場所ですが、ツアーに参加して車を手配すればスムーズに周ることができます。

教会の中も変わっている

この教会はプロテスタントの教会で、建設の時にはカトリックから様々な条件が出されたといいます。木造にすること、釘などは使わず木材だけで建てること、高い塔を立てないこと、湿地の上に建てること・・・などなど、細かく制限がありました。教会は隣に住むおばあさんが管理していて、ちょっとしたガイドをしてくれます。祭壇のカラフルな画まで木でできているので、独特の雰囲気があります。珍しい教会で、世界遺産である理由にも納得です。

スタラーホラのワイン蔵と博物館

普段は静かなスタラーホラ村

スロバキアはワインが有名。車の通れる道から田んぼ道に入り、しばらく行くとスタラーホラという小さな村があります。村にはワイン蔵とワイン博物館があります。私が訪れた日は人っ子一人いませんでしたが、ワインのお祭りの日になるとどこからか人が集まってきて、スタラーホラが原宿の竹下通り状態になるそう。

スタラーホラのお客様を迎えるときの民族衣装

蔵で作られたワインの色は、どちらかといえば白ワインですが、色も味もそれとは異なります。かなりのアルコール度数です。味は少し酸っぱいでしょうか。ワイン蔵を管理しているおばあさんは、私と同年代の孫をもつこともあってか、嬉々として私にワインをすすめてくれました。その時は満腹のうえ、強い度数だったためにグラスの半分ほどしか飲めませんでしたが、風味豊かな美味しいお酒でした。

バンスカー・シュティアヴニツァの新城

ちょっとした山の上にある新城

バンスカー・シュティアヴニツァは小さな町ですが、世界遺産に登録されている町です。鉱山で栄えた町で、最盛期の18世紀には1年間に600kgの金や2万4000kg以上の銀が産出されたそうです。想像のつかない量ですね。現在はひっそりとした街ですが、カラフルで可愛らしい街並みや低い山に囲まれた落ち着いた雰囲気に癒されることでしょう。

新城からの町の眺め

バンスカー・シュティアヴニツァで1番思い出深かったのは、新城辺りから眺める町の様子でした。新城はちょっとした山の上にあって、町から坂を登るとあります。新城を見学したその帰りにみた町の景色がすごくきれいでした。特に美しいのは朝です。朝靄の中、朝食の支度をしているのかいくつかの家の煙突からモクモクと煙が上がっていました。

コーヒーをもっていざ出発

バンスカー・シュティアヴニツァから車で30分ほど走ったところに、ズボレンという駅があります。例えばここからハンガリーのブダペストへ行くことができます。スロバキアからハンガリーに立ち寄って帰国してもいいですね。ズボレンの駅は小さく、列車もローカル線ならではの雰囲気があり列車が好きな方にはおすすめです。駅で買ったコーヒーを片手に、ガタガタ揺れて走る列車に乗りました。旅先で列車に乗ることを楽しみにしている私は興奮して仕方ありませんでした。なお頻繁に運行があるわけではないので、事前にスケジュールは確認してください。

普通の旅行では味わえない温かな家庭料理

お父さんが狩ってきた鹿肉とジャガイモ

現地の家庭にお邪魔する機会がありました。これも専用車ツアーを手配したおかげです。庭のある明るく清潔なお宅で、スロバキアの典型的なお宅とのことでした。昼食として家庭料理をごちそうになりましたが、メインの鹿肉はそちらのお父さんが狩りで捕まえてきたものらしく(驚き!)、出していただいた野菜の何種類かは庭で採れたものだとのことでした。野山や菜園でとってきたもので彩られた食卓は、都会で疲れた私の身体に染みわたりました。現地の言葉を話せなくても心配ありません。笑顔で歓迎してくれます。海外に行って現地のお宅へ訪問する機会はなかなかないので、貴重な体験になるはずです。

 

ペンギン案内人14号/楠本 悠子

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