ジョージアとは?どこにある国?ツアーや行き方や治安・物価についてもご紹介

クタイシのゲラティ修道院

コーカサス地方。昔はソ連だった、ほとんど知られていない秘境の国々、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンの3国。その中でヨーロッパの起源とも言われる歴史ある国がジョージア。かつてはグルジアと呼ばれていた国です。キリスト教の起源の地、ワインの生まれた場所、独特の言語などなど、ひとつずつ秘密のベールをはがしていくと、この国の不思議の多さに驚くのです。世界203か国を旅してジョージアにはまった私ペンギン2号は、ユニークで奥深い国に行きたい旅の友には必ずお勧めするこの国。その不思議な魅力の数々をご紹介いたしましょう。

ジョージアってどんな国?

クタイシでゲラティ修道院/参拝に来ていた女の子たち

ヨーロッパの最東端、5000ⅿのコーカサスの山々の懐に位置するジョージア。黒海に面し日本の約5分の1の国土のジョージアは、古くからアジアとヨーロッパの十字路として栄え、最もアジアに近いヨーロッパの国なのです。19世紀初めにロシア帝国に併合されてからその後もソ連邦に加盟していましたが、1991年独立。日本ではロシア語読みの「グルジア」と呼んでいましたが、政府は2015年日本語表記を「ジョージア」と変えることにしました。私など最初、ジョージアの旅行社の人が電話してきて、ジョージアと聞いてアメリカのジョージア州の人かと勘違いしたのでした(笑)なんとなく今でも個人的にはグルジアの方がピンとくるのです。深みのあるお国柄にふさわしい名前ですから。

古都ムツヘタのジュヴァリ修道院

4世紀にキリスト教が伝わって独自のジョージア正教という宗教を作って守ってきました。生ける最古の言語と言われる独特のジョージア語を使い、独自の文化を培ってきたユニークな国なのです。ジョージア語の文字は丸くて不思議な象形文字みたいで、ちょっとカンボジアのクメール文字に似ている気がしました。
そして驚くことに8000年前からワインを作ってきたことでも知られるワイン発祥の地です。今なお国のあちこちにワイナリーがあり、ワインづくりが盛んに行われています。世界無形遺産に登録されたワインがあるのですから、ワイン好きの人々も興味津々でしょう。
首都トビリシも古都ムツヘタも、ジョージア正教会の独特の石造りの教会が美しい緑の風景の中に点在しています。北部へ続く軍用道路を走ればロシア国境に近いカズベキまで、道中の風光明媚な大自然を楽しめます。
各地方ごとに特色のある料理があって、ジョージアは食文化も豊かな国です。
また大相撲力士の栃ノ心や臥牙丸はジョージア出身。お蔭で、今では国名が日本でも知られるようになりました。

ジョージアへの行き方

トビリシの平和橋。トビリシは近年モダン建築でも注目されている

日本から首都トビリシの空港へ直行便は就航していません。カタール航空でドーハ経由の便やターキッシュエアラインズでイスタンブール経由などの便が便利で一般的。カタール航空の場合羽田か成田からドーハまで直行で約12時間。ドーハで乗り換えでトビリシまで所要約3時間です。トルコ経由だと、羽田からイスタンブールまで直行で12時間半。そこからは2時間20分です。カタール航空の羽田発はドーハでの乗り継ぎが短いので成田発がお勧めです。

ムツヘタのスヴェティ・ツホヴェリ大聖堂の露店で見つけた土産物のカラフルな人形

飛行機のほかに、隣国アルメニアから列車で入国する方法もあります。アルメニアの首都エレバンの駅から寝台車でトビリシ駅へ入ることも可能です。ただし列車は運行状況がフレキシブルなので、旅行社を通して手配してもらう方が安心です。バスもあり、所要6時間半余り。バスの手配は日本では難しいかと思います。見どころを巡りながら国境を越える手配はコーカサスに詳しい旅行社なら簡単に案内してくれるでしょう。

ジョージアのツアー

古都ムツヘタにて。日本人の女の子は大人気

コーカサス3国として、ジョージアとアルメニア、アゼルバイジャンの3国を一度に周遊するプランも多く、他にもジョージアとアルメニアの2か国周遊のコースも人気があります。ジョージア1か国で、奥深く周遊するプランもお薦めです。いずれにしても団体ツアーだと、本当に行きたいところは網羅されておらず、個人旅行で融通の利く旅行会社を利用することが大切です。

古都ムツヘタの近郊にあるジュヴァリ修道院

コーカサスをはじめ辺境に強い個人旅行のみを扱う旅行会社で、実際に現地を見て来たスタッフが大勢いていろんな話を聞かせてくれて、好みに応じたアレンジをしてくれるようなところが理想的でしょう。ジョージアとアルメニアをコンパクトに周遊すれば夜発6日間でもハイライトプランが組めます。逆にコーカサスの絶景を求めてジョージアの奥地ウシュグリやメスティアまで足を延ばすなら夜発9日間くらい必要です。

ヨーロッパの辺境・ヨーロッパの起源

神秘的なムードが漂うアナヌリ

今から170万年前と言う太古の昔のヨーロッパで初めての人骨はジョージアで見つかったのです。また2000年前にはジョージアの建国3000年が祝われたそうです。・・・ということは5000年も前に国があった?!凄すぎる国!!その上、ジョージアは紀元337年にキリスト教が布教されていたという最も古いキリスト教国のひとつでした。
かのグレート・シルクロードはこの国を通り東西を結んでいました。この国の話を地元のガイドさんから聞くにつけ、ジョージアが途方もない長い歴史を持つ国だと知るのです。

ウシュグリのラマリア教会内部

ジョージアはワイン発祥の地でもあります。紀元前7000年~5000年前にはこの地で人類初のブドウ栽培が始まり、これがワインの起源とされています。この国は、「ヨーロッパの辺境」という言葉では語り尽くせないのです。宗教や文化の生まれた「ヨーロッパの起源」であり「ヨーロッパの生みの親」的存在なのです。
ジョージアという国自体が新しい発見に満ち溢れた世界遺産と言っても過言ではないと私は思います。

文豪も愛した景勝地 十字架峠

冬の十字架峠にて

トビリシから一路北へ、かつてシルクロードの交易路であり、コーカサス山脈を縦断しているジョージア軍用道路。ロシア内北オセチア共和国の首都ウラジカフカスまでの210㎞に及ぶ大動脈です。軍用道路の中で最も標高が高い2395ⅿの地点が十字架峠です。

雪景色の十字架峠にて

この周辺は夏には一面緑の絨毯の上にピンクや薄紫の花々が咲き乱れ、冬には雪化粧をした峰々が見渡す限りの銀世界となる、まさに風光明媚な地なのです。ロシアの詩人プーシキンや作家レールモントフもこの大自然の美しさに魅了され、作品にこの地を取り上げたそうです。
私が訪れたのは11月。すでに峠には雪が積もり、道が滑るのを気にしながら峠からの雪景色を堪能しました。
十字架峠を越えると、カズベキ村。天気がよければ標高5047mの名峰カズベキ山を望めます。

ジョージアでイチ押し!ヨーロッパ最後の秘境ウシュグリ村

世界遺産のウシュグリ村の景色

ジョージア北西部。北はコーカサス山脈、南はスヴァネティ山脈にはさまれた「上スヴァネティ地方」があります。その中で、一番奥まったところに位置するウシュグリ村。標高は約2400ⅿで、定住する住居が存在する集落としてはヨーロッパで最高地点にある村です。スヴァネティ地方の中心地メスティアから悪路を車で走ること約2時間。冬は雪が深いので夏場しか行けません。

ウシュグリ村で一番上の集落

夏でも村のすぐそばまで氷河が迫り、高山地帯であることを実感します。村一番の高所に位置するラマリア教会は11世紀に建立。山奥でありながら、中世以来の独特の景観を保持しています。村には古い石塔城館が建ち並び、世界遺産に指定されています。コーカサスでは山岳民族間の争いが多かったため、外敵が攻めてきたときに、これらの塔状の家に立て籠もれるような作りになったのでした。天気が良ければ、この村からジョージア最高峰の5205mのシュハラ山を眺望することもできます。道を歩けば、突然牛と出くわしたりして、自然な生活そのものが残る素朴な村なのです。
ジョージアを極めたいなら、ぜひこの地に足を延ばしてほしいものです。

ジョージアの古都 世界遺産のムツヘタ

ムツヘタのスヴェティ・ツホヴェリ大聖堂は壮麗

隣国アルメニアと共にキリスト教発祥の国として古い歴史があるジョージア。国中に素晴らしい修道院や聖堂があって、そのいくつかは世界遺産に指定されています。ジョージアの首都トビリシから北へ約20㎞に位置する古都ムツヘタ。すでに5世紀頃から宗教都市として発展し、数々の美しい大聖堂などが建てられたのです。

ジュヴァリ修道院よりムツヘタ市内を眺望

この町で最高峰と言える見所がスヴェティツホヴェり大聖堂。町中を流れる2つの川の交わる緑豊かな田舎町に建ち、自然に包まれるように存在するジョージア最古かつ最大の聖堂だと言われています。ジョージア建築らしく、モノトーンで地味な石造りながら、その重厚さと迫力には圧倒されます。
もう一つの見所は町郊外の丘の上にあるジュヴァリ修道院。この建築の素晴らしさもさることながら、ここから見下ろすムツヘタの町並は息を呑む光景なのです。

ワイン発祥の地ジョージアにはワイナリーがいっぱい

カヘティ地方のワイン

ジョージアのカヘティ地方はワインを古くから作り、その数500種類という豊富さからジョージアのワイン名産地として知られています。大きな壺を地中に埋めて何年も寝かせるという独特な熟成方法が特徴的で、車で3時間離れた首都トビリシからわざわざここのワイナリーを訪れて直接ワインを買っていく人々も多いそうです。私もガイドさんに相談してお薦めの白ワインと赤ワインを調達。割れないように頑丈にくるんで日本へ持ち帰りました。やや癖のあるワインですが、味わい深くて、これを飲むときはジョージアの旅の思い出が蘇ったものです。

カへティ地方の農家で ジョージア家庭料理を

ワイナリーだけでなく、カヘティ地方の各家庭では必ずと言っていいほど自家製のワインをつくっています。フレンドリーな地元の人々の温かいもてなしを受けながら、特別なワインで乾杯し、おいしい家庭料理を味わう体験のできるツアーもあるので、参加してみてはいかがでしょうか?一生の思い出となることでしょう。

ムツヘタに建つジョージア正教の信仰の中心スヴェティ・ツホヴォリ大聖堂

ジョージア(日本では2015年までグルジアと呼称)は黒海とカスピ海の間に広がるコーカサス地方にあって北海道ほどの広さの国です。旧ソ連に属し1991年に独立。2019年のラグビーワールドカップに出場し、元大関栃ノ心の出身国で、白地に赤の十字架が5つ描かれている国旗で知られる国です。
そんなジョージアは、小さい国土なのに地形・気候の変化が大きく多様な自然に溢れていて、歴史が古く様々な文化財が残され、さらに料理やワイン・地ビールなどもとてもおいしく、旅して楽しい、ここに来て良かった、と思える国です。

首都トビリシ

メテヒ教会前のテラスからトビリシ旧市街とその上のナリカラ要塞を望む

トビリシ旧市街にはシオニ教会やメテヒ教会など、ジョージア正教の教会の他、同じキリスト教のアルメニア正教、カトリック、ユダヤ教、イスラム教という5つの宗教の教会が集まっていて、メテヒ教会前のテラスに立つと、ひと目で見える視野の中にそれらの建物をいっぺんに見ることが出来ます。この狭い範囲にこれだけの異なる宗教施設が共存共栄しているのは他ではまず見られない壮観です。

町の背後にそびえるナリカラ要塞から見下ろしたトビリシ市街

5~6世紀に創建されムツヘタから遷都されたトビリシはマルコ・ポーロが「絵に描いたように美しい」と称えた町で、旧市街には、今も長い歴史を感じさせる建物が並んでいます。ところがその周辺には、旧市街と対岸を繋ぐ平和橋や花びらの様な屋根の役所など、斬新でモダンな建造物もどんどん造られ、新しい顔も見せる町です。
ナリカラ要塞やムタツミンダ山に登ると、そんな新旧の街を一望できます。

ジョージア軍用道路を北上してアナヌリから十字架峠へ

ジョージア軍用道路沿いの湖畔に佇む17世紀のアナヌリ要塞教会

ジョージア軍用道路はトビリシの北から古都ムツヘタを経てコーカサス山脈を縦断し、ロシア国境の北まで200kmを越える道です。紀元前からシルクロードの交易路だったようですが、18世紀以降に帝政ロシアが整備し軍事的に利用するようになりました。現在では再び国際物流ルートに、また、ジョージア屈指の風光明媚な地を貫く観光道路になっています。

ジョージア国内で2番目に高いガズベキ山(5047m)

ムツヘタを過ぎて北に向かうと湖畔に佇むアナヌリ要塞教会が見えてきます。周囲の自然に教会が溶け込んでそれは美しい風景です。
スキーリゾートのクダウリを過ぎて少し行った所には「ロシア・ジョージア友好記念塔」というソ連時代に作られた壁画展望台があり、さらに長い上り坂の道を尽きると海抜2400m近い十字架峠に到達します。この道は山々の景観に息を呑むことの連続です。(※冬季はクダウリまで)

アナヌリ要塞教会
エリアムツヘタ北部
アクセスムツヘタから車で北へ約30分
備考城壁の内側に17世紀後半に建てられた二つの教会がある

カズベキからツミンダ・サメバ教会まで登って行こう。

山上から見下ろしたカズベキ(現名ステパンツミンダ)村と背後にそびえる山々

十字架峠から軍用道路をさらに北上して坂道を下っていくとカズベキ(現名ステパンツミンダ)村に着きます。ここに着いたら、4WDに乗り換えて14世紀に建てられたツミンダ・サメバ教会(ゲルゲティ三位一体教会)まで登りましょう 。
途中の展望ポイントからはカズベキの町や背後にそびえる山々がきれいに見えますが、ツミンダ・サメバ教会に近づき、教会とその後ろに屏風のように立つ山の景色が見えてくれば、さらなる絶景に感嘆してしまうこと間違いありません。

ツミンダ・サメバ教会(ゲルゲティ三位一体教会)と屏風のような背景の山

天気に恵まれれば5047mの名峰カズベキ山の頂上まで望めるので、幸運を願ってください。
トビリシからここまで日帰りで往復できるのですが、変わりやすい山の天気が心配です。カズベキに宿泊すれば、晴れの景色を逃さずに済む可能性が高くなるのでおススメです。

山あいの村メスティアにあまたの石塔城館がそびえ立つ

メスティアの村内にはたくさんの石塔城館(スヴァンの塔)がそびえ立つ

ジョージア北西部に「上スヴァネティ」という、北の大コーカサス山脈、南のスヴァネティ山脈に挟まれた東西に細長い世界遺産の地方があります。メスティアはその中心地で、トビリシから直線で約230km北西ですが、その間に連なるスヴァネッティ山脈を大きく迂回せねばならないので、道のりは400kmを超え車でまるまる1日かかります。しかし、美しく雄大なコーカサスの山々を背にいくつもの石塔城館(スヴァンの塔Svan Tower)が独特の姿で立ち並ぶ景観は、長旅の疲れもきっと忘れさせてくれるでしょう。

メスティア村の家々を見下ろして立つバチグラニ峰(標高3837m)

街はモルクラ川を中心に広がり、どこからでも目の前にそびえ立つ3837mのバチグラニの眺めを楽しめます。テトゥヌルディ(4858m)の雄姿を遠望することもできます。夕陽に染まる山々の姿はことさらに美しいです。
また、メスティアはウシュグリ村やウシュバ峰(4700m)を見るポイントへ行く基地でもあります。

世界遺産ウシュグリ村はヨーロッパで最高地点の定住村

人が定住する集落としてはヨーロッパ最高地点の世界遺産ウシュグリ村全景

ウシュグリ村は世界遺産の上スヴァネティ地方で最も奥まった所の標高2200~2300m、定住する人が居る集落としてはヨーロッパで最も高い地点にある村です。スヴァネティの中心地メスティアから車で悪路を約2時間。大雪のために夏しか行けません。

ウシュグリ村からは天気が良ければジョージア最高峰のシュハラを望める

ここからはジョージア最高峰のシュハラ(5068m)が見られ、夏でも村のすぐそばまで氷河が迫り、高山地帯であることを感じさせます。
村の一番高い場所にある「ラマリア教会」は11世紀建立で色の豊かな素晴らしいフレスコ画が残っています。
村には、古い石塔城館(スヴァンの塔)が建ち並び、中世の景観を色濃く残しています。村の中を歩くと、突然、牛と出くわすことも。自然な生活がそのまま残っている村でもあります。

古都クタイシのゲラティ修道院とバクラティ大聖堂

第2の都市クタイシにある世界遺産ゲラティ修道院

クタイシは11世紀頃はジョージアの都だった町で、今はトビリシに次ぐ第2の都市です。ここには世界遺産のゲラティ修道院と2017年まで世界遺産だったバクラティ大聖堂があり、見逃せないポイントです。
ゲラティ修道院は、ジョージアが最も栄えた1106年に学校として建てられたことから始まり、その後、聖堂や鐘楼などが次々と建て増しされました。最初に創設した国王の墓もあります。

クタイシ中心部のバザール、伝統菓子:チュルチヘッラ店前で(右側が筆者)

ゲラティ修道院
エリアクタイシ
住所Rd to Gelati Monastery, Motsameta, ジョージア
アクセストビリシからバスで約4時間、列車で約5時間半
備考1106年にグルジア王ダヴィド4世によって創設、1994年にユネスコ世界遺産に登録

バクラティ大聖堂はクタイシ市街を見下ろす丘にあり、街からエメラルド色のドームが見えます。1691年にオスマン・トルコによって破壊され、廃墟のようになっていたのが、1950年代以降少しずつ修復され、最近になって一気に完成。しかし、元の姿とは全く違った部分もあって、世界遺産から外されたようです。
クタイシ市街中心部はリオニ川が流れる美しい町並みで、バザール観光もとても楽しいです。

バクラティ大聖堂
エリアクタイシ
住所Bagrati Street, Kutaisi, ジョージア
アクセストビリシからバスで約4時間、列車で約5時間半
備考11世紀にジョージア王バグラト3世によって建設され、バグラティ大聖堂の名はそこに由来

 

ペンギン案内人9号/小澤 誠

ペンギン案内人2号/井原 三津子

タイトルとURLをコピーしました