バルト三国とは?行き方や治安・物価についてもご紹介

バルト3国って、どんな国?

カウナスの旧市街(リトアニア)

エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト3国は、北はバルト海を挟み、フィンランド、スウェーデン、東はロシア、南はベラルーシ、西はポーランドに隣接する小国です。各国の面積は北海道より小さく、九州よりは広いという大きさです。また人口は3国合わせて600万人ほどです。20世紀の終わりまでソビエト連邦に属していました。ソ連崩壊後、それぞれの国は独立し現在に至っています。かつてはソ連でしたが、町並みがロシア的なことは全くありません。
一口でいうなら北欧の町の雰囲気があふれているということでしょう。しかし同じ北欧でもフィンランドやデンマークと違うところは、首都でも町は小さいことと、より歴史が残っているのが特徴です。

アレキサンドル・ネフスキー大聖堂(タリン)

エストニアの首都タリン、ラトビアの首都リガ、リトアニアの首都ビリニュス。3国の各首都はともに旧市街が世界遺産に指定されています。中世の雰囲気が色濃く残るこれらの町の旅はまるでタイムスリップしたような気分にさせてくれるはずです。
このように魅力ある国々ではありますが、日本ではまだまだマイナーです。現地に行っても、たくさんの日本人に出会うということはありません。

初の海外1人旅にも最適。治安がいいのもウリです

子連れ旅行もバルト3国なら、安心(ラトビア)

トラベルアドバイザーの仕事を30年以上しているので、私に海外旅行の相談がよく来ます。コロナ前の事ですが、仲の良い若い女子から旅の相談を受けました。彼女は海外旅行の経験はあるものの、海外1人旅は未経験。どういう国がおすすめですか?という質問でした。とはいってもメジャーな国には行きたくない。人とは違う旅先を希望するということでした。私はこの質問に即答しました。「バルト3国が最適だ」と。その理由の第一は治安の良さです。ヨーロッパでは大都市中心にスリ、置き引き、ひったくりが多発しています。感覚的にいうと、パリとかイタリアとか、バルセロナで特に注意が必要かな。何せ3年前バルセロナで私もいきなり誰かに液体をコートにかけられ、親切そうに助けようと近寄ってきた男にバッグを取られそうになったくらいなのですから。

フェルトでできたかわいい帽子(タリン)

しかしながら、バルト3国はヨーロッパの中でもかなり治安が良いです。最低限のことに気を付ければ、特別な心配は不要です。なおかつ自分だけのトクベツ感を感じる国がバルトなのです。
先ほどの女子も帰国後、私に報告をしてきました。「川崎さんの言うとおり、初めての一人旅でも不安なく旅できました」

北欧の中では物価が安い

旧市街でかわいい雑貨を発見(タリン)

北欧の国というと、世界有数の物価の高さが有名です。スウェーデンのストックホルムにしろ、デンマークのコペンハーゲンにしろ、外食費やアルコール類が特に高く、町歩きをするときに倹約しないと大変な出費になります。なにしろハンバーガー1個2000円以上したりする国ですから。
バルト3国はこうした世界トップクラスの北欧の国々の物価を考えるとかなりリーズナブルです。ヨーロッパ全般の物価を考えても、やや安めといえるでしょう。

黒パンのシチュー(ビリニュス)

フィンランドの首都ヘルシンキからバルト3国の1つエストニアの首都タリンまでは、わずか60kmです。フェリーで約2時間の距離です。週末になるとヘルシンキからタリンへの乗客が大幅に増えます。これは観光というよりも買い出し旅行です。往復のフェリー代を払ってもタリンで買い物をした方がお得なので、ヘルシンキの人は週末タリンに向かうのです。それほど、バルト3国の物価は安いです。

バルト3国への行き方

ヴェールマネス庭園にて、リガ美人と一緒に(リガ)

バルト3国へは、日本からフィンランド航空の利用が便利。フィンランド航空は成田、羽田、関空、中部、福岡から便があり、ヘルシンキまで約10時間15分。成田から最速でEUの国に行くのは、このフィンランド航空を使い、ヘルシンキまでいくのが一番。ちなみにエールフランスでパリに行くのなら成田から12時間50分です。いかに近いかがわかりますね。実際このフライトに乗ると早くヨーロッパに着くと実感します。ちなみに日本航空で羽田からインドのデリーまでは約10時間30分。インドとフィンランド。同じアジアなのでインドの方が近いように思いますが、実際はフライト時間は同じなのです。

旧市街ラエコヤ広場にて(タリン)

そのフィンランド航空を利用し、ヘルシンキで乗換えです。エストニアのタリン、ラトビアのリガ、リトアニアのビリニュス、それぞれの首都に接続便があります。他にもターキシュエアラインが羽田発でイスタンブール乗換便をはじめ、数多くの行き方があります。

エストニアって、どんな国?

旧市街からの眺め(タリン)

それでは、バルト3国をそれぞれどんな国か紹介していきましょう。まずはエストニア。首都タリンはフィンランドのヘルシンキからフェリーで約2時間。ヘルシンキから日帰り旅行もできるほどの手軽な国です。エストニアで話されている言葉はエストニア語ですが、フィンランド語に近いです。大部分の人が英語を始め、複数の言語が話せます。またあのSkype(スカイプ)を産んだ国であり、外国のIT企業が多く進出しています。ITを行政に生かし「電子国家」と、世界中から注目を浴びています。

農家でスモークサウナを体験(ヴォル/エストニア)

エストニアを一口で表現すると、北欧の風土と、中世のドイツ風の町並みではないでしょうか。世界遺産に指定されているタリンは本当に絵本の世界から抜け出たような町で、まとまりが大変いいです。そもそもタリンはハンザ同盟の町として栄えました。バルト3国を旅する計画を立てた時、もし1か国しか行く時間がないのなら、私は迷わず、エストニアをお勧めします。タリンのまとまりの良さと、フィンランドからのアクセスの良さがその理由です。

ラトビアって、どんな国?

市庁舎(リガ)

バルト3国の中央にあるラトビア。バルトの貴婦人と呼ばれる美しい国です。この国を一口で表現するとエストニア同様、北欧の風土と、中世のドイツの町並みだと思います。かといって、言葉や文化はまったく違います。公用語はラトビア語です。また、バルト3国の中で一番ロシア人が多く住んでいて人口の約27%を占めています。大部分の人が英語などの外国語を話すことができるので、旅行に不便はありません。

ハチミツの専門店(リガ)

ラトビアの首都リガもハンザ同盟の町でしたので、タリンとの共通点が多く見つかります。ただ、リガはタリンよりも人口が多く、どちらかというとよりおしゃれな感じがします。旧市街から少し離れた場所にユーゲントシュティール建築群があり、アールヌーボー建築巡りができるのも楽しい体験です。
もしバルト3国で2か国しか行く時間のない人の場合、私はラトビアと後で説明するリトアニアの2か国に行くことをお勧めします。バルトの中央にあるラトビアは2国まわる場合、はずすことはできません。と、なるとラトビアとエストニア2国も考えられますが、エストニア、ラロビアとは共通点が多いため、あえて違う国に行った感を感じるのなら、ラトビアとリトアニアの2国周遊がいいでしょう。その理由は次の項目で説明します。

リトアニアって、どんな国?

ビリニュス大学の鐘楼からの眺め(ビリニュス)

地理的に見たり、ソ連時代の歴史を考えるとバルト3国をひとくくりするのは正しいかと思いますが、リトアニアだけは他の2国との差異が大きいです。一番大きな違いはこの国だけはヨーロッパでも有数のカトリックの国だということです。また中世の200年間ポーランドと合同国家を形成していました。つまりポーランドと兄弟のような関係でした。だからこそ、バルト3国のうち2国しか行けない場合の選択肢はラトビアとリトアニアに行く方が違いを見つけ出せるのでお勧めなのです。
世界遺産・リトアニアの首都ビリニュスはヨーロッパ最大規模の旧市街の大きさを誇っています。「小さなローマ」とも言われる美しい町並みが魅力的です。

十字架の丘の景観にはびっくり!(リトアニア)

また、リトアニアは首都ビリニュス以外でも必見ポイントがたくさんあります。まずは訪れたいのが日本のシンドラーとしてあまりのも有名な杉原千畝の博物館です。ここはリトアニアの第2の町カウナスの住宅街にある小さな小さな記念館ですが、いつまでも心に残ることでしょう。また、バルト3国の絶景・十字架の丘もお勧めです。大小5万本もの十字架が立ち並ぶ光景は感動的ですらあります。あと、湖畔にある可愛い城、トラカイ城にも立ち寄りたいものです。
このようにリトアニアの良さを知るためには、郊外や田舎への旅が大切なのです。

 

ペンギン案内人7号/川崎 真弘

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