悠久の歴史 心で感じるシルクロード【中国】 特選10か所②

新疆ウイグル自治区 トルファンのバザールにて

新疆ウイグル自治区 トルファンのバザールにて

広大な砂漠を行くキャラバン隊、月夜に照らされたラクダの商人…。シルクロードの風景はいつでも私たちの旅情をかきたてます。千数百年もの間、古代の交易の中心であったシルクロードにより物資のみならず、民族・経済・文化の交流が生まれ、現在の世界が作り上げられました。中でも新疆ウイグル自治区内を走る3本のルート(天山北路・天山南路・西域南道)と甘粛省の河西回廊には東西交流史の遺跡が多く残っています。特に莫高窟など数多くの仏教石窟寺院が残る甘粛省は仏教伝播の歴史を知る上で非常に興味深い場所だと言えるでしょう。
前編に続いて後半となります。

嘉峪関(かよくかん)

万里の長城の最西 嘉峪関

万里の長城の最西 嘉峪関

南は祁連山脈、北は龍首山と馬鬃山に面した嘉峪関(かよくかん)は万里の長城・最西端の関所です。かつてシルクロードにおいては必ず通過しなければならない場所でした。着工されたのは14世紀後半、モンゴル民族による侵入を防ぐために築かれました。現在見ることができる嘉峪関は1540年に完成した当時のままの姿です。そのため万里の長城の中でも最も大規模で保存状態が良いことで知られています。

明代に築かれた最大傾斜が45度にもなる 懸壁長城

明代に築かれた最大傾斜が45度にもなる 懸壁長城

嘉峪関は内城、外城、羅城、甕城、城壕から構成されています。内城の東には光化門、西には柔遠門の2つの門が構えており、門の上には高さ17m、3層からなる楼閣が立っています。2つの城壁と巨大な楼閣を備える嘉峪関は、そのあまりに精巧で堅牢な造りから「雄関」と称されています。楼閣からの眺望では果てしないゴビ砂漠と祁連山脈の山々を見渡すことができ、シルクロードの商人たちが行き来した時代の面影を感じられることでしょう。

炳霊寺石窟(へいれいじせっくつ)

世界遺産にも認定された炳霊寺石窟

世界遺産にも認定された炳霊寺石窟

蘭州から南西へ100km。この黄河の北岸側の峡谷の中にある炳霊寺石窟は1952年に発見されました。炳霊寺石窟(へいれいじせっくつ)には黄河北岸の崖2kmに渡って、西秦から清時代にかけて造られた183もの石窟が保存されています。中でも目を引くのが崖に掘られた高さ27mもの巨大な仏像。唐時代に造られたものです。その大仏の座る窟の上部には西秦時代のものと思われる第169窟があり、漢民族が造る仏像とは異なる西域風の特徴が見られます。

炳霊寺石窟寺院へはスピードボートで移動

炳霊寺石窟寺院へはスピードボートで移動

炳霊寺石窟への行き方も非常にユニークです。黄河の近くにある人口ダム湖をスピードボードに揺られて向かいます。切り立った奇峰、奇岩が目の前に広がる景観は圧巻、神秘的な雰囲気を感じることでしょう。.また莫高窟と同様に、別途拝観料が必要な特別窟もあるため、必ず見学したい場合は予め旅行会社に伝えておきましょう。大仏像の上部にある第169窟も特別窟に指定されています。

トルファン

西遊記の舞台にもなった火焔山

西遊記の舞台にもなった火焔山

ウルムチの南東183kmに位置するトルファンは世界でも有数の低地であるトルファン盆地の街としても知られています。盆地の中心の標高は-154m。これはイスラエル、ジブチに次いで世界で3番目に低い地点です。そのため夏は高温で乾燥していますが、この気候を生かしたブドウ栽培が非常に盛んです。街の至る所でブドウ棚を目にすることでしょう。トルファンのブドウ農家を訪ねるツアーも人気があります。

こちらはトルファン駅。

こちらはトルファン駅。

トルファンの見どころはブドウだけではありません。トルファン郊外の「火焔山(かえんざん)」は是非訪れてほしい場所の一つです。「火焔山」は日本人にもお馴染みの物語「西遊記」にも登場する場所です。火焔山の山肌は地殻の褶曲運動と雨風の浸食作用により、まるで燃え盛る炎のようなひだが刻まれています。猛暑の日には地表から陽炎が立ち上がり、本当に山全体が燃えているような錯覚に陥ります。

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