【世界一周!味めぐり】ヴァタニム VATANIM(中央アジア料理/中野/東京)

中央アジア名物はおじさんのワキの香り!?

キルギス カラコルの食堂 看板メニューは冷たくて辛い冷麺アシュランフー

キルギス カラコルの食堂 看板メニューは冷たくて辛い冷麺アシュランフー

旅人を自称する人であれば、誰しもが忘れられない料理が旅の思い出と共にあることでしょう。私にとってはそれが中央アジア料理のプロフとラグマンかも知れません。

プロフとは日本で言うところのピラフです。レンズ豆やニンジン、肉などを炒めてスープと共にお米を炊きます。野菜の出汁とお肉の脂がお米に染み込み、クミンが醸し出すエスニックな風味とあいまって食欲をそそるのです。

ラグマンは日本のうどんのような太めの白い手打ち麺を、肉やパプリカ、玉ねぎなどの具が入ったトマトベースのスープで食べる麺料理です。ちなみにスープで食べるだけでなく、焼うどんのような「焼きラグマン」も人気があります。

カラコルのパン屋さんで売っている「ノン」

カラコルのパン屋さんで売っている「ノン」

私はキルギスやウズベキスタンはもちろん、カザフスタン、タジキスタン、トルクメニスタンに行った時は必ずプロフとラグマンの両方、あるいはどちらか一方を必ず食べていました。プロフやラグマンはお店や国にによって入れる野菜や肉の種類が違っているのが面白く、またどれもハズレがありません。いわば日本のカレー屋やラーメン屋のようにどれも美味しい上に暖簾ごとの味わいが有るのが魅力なのです。

海外旅行ができない2020年のコロナ・パンデミックのステイホームの際は、異国の料理が恋しくなったため自分でプロフを作りました。プロフは材料さえ鍋に入れて、炊飯器のスイッチを押せば出来てしまうのでラグマンよりも簡単かな、と思ったのです。

最初作った時は、お米が少し柔らかかったのですが、中々上手くできました。妻も喜んで食べてくれたと思います。調子に乗って2回目も作りましたが、お米が今度は硬すぎました。スープの量が前回と比べて少なかったのかも知れません。お米はアルデンテくらいがちょうど良いのですが、中々その塩梅が難しいのです。そして3度目の正直とばかりに意気込んで再度チャレンジしましたが、またもやお米が硬く失敗に終わりました。入れる野菜によっては水分量を調整しないとベチャベチャになってしまうのかも知れません。

見かねた妻からは「(プロフに欠かせないクミンが)おじさんのワキの匂いのようでもう嫌だ!」と言われました。確かに言われてみれば、クミンの香る温かい料理は、何処と無くおじさんのフェロモンのような匂いを連想します。(自分もおじさんだし)私的にはクミンは嫌いではありませんが、これではしばらくクミンを使った中央アジア料理を家庭で作るモチベーションを一気に失ったのは言うまでもありません。

中野にある「ヴァタニム」は本格派のキルギス料理店

ヴァタニムのプロフ 知る人には嬉しいトマトとキュウリのサラダ

ヴァタニムのプロフ 知る人には嬉しいトマトとキュウリのサラダ

自宅での中央アジア料理の挑戦はしばらくお休みしていたところ、東京にも中央アジア料理店が少ないながらもあることが分かりました。

今回訪れたのは中野駅から徒歩で10分、新井薬師前駅からは徒歩で7分にあるヴァタニムです。ヴァタニムは2019年に高田馬場にオープンしましたが2020年4月よりこの中野区へ移転したそうです。
訪れた際はまずお店の外観に驚きました。純和風(笑)!和菓子店か蕎麦屋の居抜きのような店構えなのに、エスニック料理のお店というギャップが面白く感じました。

早速、店内に入り注文。店員さんによると残念ながらラグマンはすでに売り切れてしまったので、プロフとタンディールサムサ(ラム肉のミンチと玉葱のパイ包)、キーマシャシリク(ラム肉のミンチの串焼き)をオーダー。ちなみにハラル料理店のためアルコールは置いてありません。我慢、我慢。

中にはお肉がぎっしりのタンディールサムサ

中にはお肉がぎっしりのタンディールサムサ

まず運ばれてきたのはプロフ。付け合わせとして定番のトマトときゅうりのサラダが付いているのも嬉しいポイント。プロフはまるで炊き立てのようにお米がパラパラで、クミンはほんのり香る程度、日本人好みのバランスです。プロフは炊き立てが一番美味しいというのが定説ですが、ヴァタニムのようなニッチなエスニック料理店では常に炊き立てを提供することは現実的ではないという考えからか、時間を置いてもオイリーにならず、お米が美味しく食べられるように工夫がされているように感じられました。

次にタンディールサムサとキーマシャシリクを頂きました。実はオーダーした後で「どちらもラム肉料理じゃん!」と気付き、途中で味に飽きないかが不安でしたが全くの杞憂でした。どちらも肉汁が溢れるほどジューシーなのにラム肉特有の嫌な香りがしないのです。特にタンディールサムサは、生地の中にお肉がぎっしりと詰まっているのが嬉しい!

ヴァタニムの料理はどれも美味しく、中央アジアへ旅行した日を思い出し懐かしく感じることもできました。

お店のお兄さんも日本語が上手で対応も丁寧でとても気に入ったので、自宅へのお土産としてナンをテイクアウトで購入しました。中央アジアのナンはインドのナンと同名ですが全く違うタイプのパンです。日本の食パン以上に、中央アジアの朝食には欠かせないパンなのです。発酵時間が短いため、ふわふわの食パンとは違い、ずっしりと重く食べ応えのあるのが特徴です。クミンは程よくまぶしてある程度なので、きっと妻も安心して食べてくれることでしょう。

ちなみにこのナンは春日部で作っているそうで「Silkroad Bakery SHER」という同系列のパン屋さんで直売しているそうですよ。お近くの方はぜひ中央アジアの朝の食卓を再現してみるのも面白いのではないでしょうか?(2020年12月訪問)

レストラン名ヴァタニム VATANIM

ジャンル中央アジア料理
住所東京都中野区新井1丁目36−9
TEL03-6454-0689
予算¥2,000〜
座席32席
個室なし
予約の可否

 

ペンギン案内人6号/橋本 康弘

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