【世界一周!味めぐり】クイーンシーバ(エチオピア料理/中目黒/東京都)

【世界一周!味めぐり】クイーンシーバ(エチオピア料理料理/中目黒/東京都)

本場のエチオピア料理 写真はエチオピアのガイドと国民食インジュラ

不名誉なあだ名を持つエチオピア料理とは?

エチオピア観光のハイライトと言えばこの「聖オルギス教会」

私とエチオピア料理との最初の出会いは、中村安希さんの『食べる。』というエッセイにおいてです。
中村安希さんは大学卒業後、社会人経験を経て約2年間放浪の旅をしてきたというユニークな経歴をお持ちの作家さんです。その放浪の旅のエピソードを綴った『食べる。』は海外での食事にフォーカスした作品で、私が最も興味を引かれたのがエチオピア料理についての話でした。エチオピア料理の主食である「インジュラ」は、エッセイの中で「ゲ〇雑巾」というパワーワードで紹介されていたのが、私の頭の中に深く印象に残ったのです。

アジスアベバのローカルなエチオピア料理店

アジスアベバのローカルなエチオピア料理店

その後、私はエチオピアへ旅行する機会に恵まれました。前述のイメージによりエチオピア料理に対して大きな不安をもっていたので、念には念を入れて現地でお湯を沸かしてラーメンなど食べられるようにトラベルクッカーを購入してもっていきました。インジュラを食べる機会は到着した1日目の夜に訪れました。恐る恐るインジュラを口に運ぶと、まず印象的なのはそのパンケーキのようなフワフワの触感。そしてじわじわと口の中に溢れる酸味。当たり前ですが、本物の「ゲ〇雑巾」よりは間違いなく美味しいのですが、確かに毎回食べるのはキツいな、と思いました。
それ以降の行程ではインジュラではない、パスタなど他の食べ物で過ごしました。エチオピアはかつてイタリアの保護国になった経緯があるのでイタリア料理も豊富なのです。エチオピアでのパスタが思いのほか美味しかったので、自分の持って行ったトラベルクッカーが活躍することはありませんでした。

私のエチオピア旅行は、ラリベラの聖オルギス教会や現地の少数民族の出会いなど、感動するものばかりでしたが、インジュラの美味しさが分からなかったことが(エチオピアのことをまだ何も理解していないように感じて)唯一の心残りでした。
これは私の持論でもあるのですが、様々な食材が世界各国で手に入るようになった現代においても長年食べ継がれているモノで、基本的にマズいモノはないと思っています。もしエチオピア国民の多くがインジュラでなくてパンの美味しさに気づいているなら、インジュラを食べることはとうの昔にやめているはずだからです。

中目黒にあるクイーンシーバ 東京で初めてのエチオピア料理専門店

店員さんおすすめのCセットは癖になる美味しさ 左奥の巻物があのインジュラ

そんな時に、中目黒に長年続けているエチオピア料理レストランがあることを知りました。店名は「クイーンシーバ」。エチオピア王国誕生の神話、「シバの女王」に由来した名前であることから、正統派エチオピア料理を食べさせてくれるのでは、と期待を持てたので、早速足を運ぶことにしました。
私が訪れたのは、2020年12月。長引くコロナ禍の自粛ムードもあってか、他のお客さんはエチオピア人と思われる常連の方お1人でした。

すっきりした味わいのモカコーヒーがうれしい

すっきりした味わいのモカコーヒーがうれしい

エチオピアの伝統衣装を着た店員さんも感じよく、私がおすすめを聞くと丁寧に教えてくれました。メニューには「エチオピアンシチューセットの注文は2人前以上から」とありましたがコロナ禍のためか、特別サービスで私1人のためにセットメニューを用意してくれるそうです。
「辛いのお好きなら」ということでその店員のお姉さんにおすすめいただいたのが、ラム肉のワット(煮込み)とビーフのミンチェット(ミートソース)、ミスール(レンズ豆のシチュー)とインジュラなどがセットになった「Cセット」です。

運ばれてきたお皿の中から、インジュラをまず口にします。懐かしいフワフワの触感。「これこれこれ!」と心の中でうなります。しかし、かつての思い出と比べると、酸味はマイルドで気になりません。「あれ、これって素直に美味しいのでは??」。そして、一緒に運ばれてきたシチューにインジュラを浸して、美味しさを確かめるようにゆっくり口の中で味わいました。後引く辛さのラム肉のワットとミンチェットを口に運んだあとで、マイルドなミスールで口の中を中和していくのが、病みつきになります。

食後は、もちろんエチオピア原産のモカコーヒーで締めます。コーヒーにはハーブが浮いており、モカコーヒーの香ばしさと、ハーブが醸し出す甘くも清涼感がある香りが相まって、鼻孔をくすぐります。お腹いっぱいでしたが心地よい食後の余韻に浸ることができました(あとで店員さんに聞いたところコーヒーに浮いていたのは「ティナダム」というハーブだそうです)。

赤唐辛子やナツメグ、タイム、コリアンダーなど様々なスパイスやハーブを使ったエチオピア料理はインド料理やタイ料理、メキシカンともまた違った深い味わいで、「エチオピア料理」としか表現できない世界が広がっていました。
お店を出て駅まで歩く道中、「エチオピア料理、また食べたい!」と、以前の私からは思いもよらない言葉が頭の中を反芻してました。
これでようやく私もエチオピアのことがより深く理解できるかもしれません(?)。

レストラン名クイーンシーバ
ジャンルエチオピア料理
住所〒153-0043 東京都目黒区東山1丁目3−1
TEL03-3794-1801
予算¥3,000~
座席30席
個室なし
予約の可否

 

ペンギン案内人6号/橋本 康弘

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